アメモノウォッチャー

アメリカ在住者がご当地の気なるモノをピックアップし、ご紹介します。

使い勝手よし! New iPad

 遅ればせながらiPadを使い始めました。いやあ、これは思ったより使い勝手がいいですね。今のところ自宅内での限定使用を想定してWifiでしかネットに繋がりませんが、それでもできることは盛りだくさんで、当分飽きることはなさそうです。

 おまえどんだけ今頃やねん、とツッコミを入れられそうですが、初期のセンセーショナルなブームが起こったときは正直、全く食指が動きませんでした。

 当時、すでに完成期に達していたMacBookをグラフィックデザインの仕事に導入し満足していた頃なので、iPadの利便性まで目が行かなかったのです。

 iPadが出た頃、むしろ家内のほうが、知人や姉ら周囲でiPadを使い始める人が急増し、気になっていたようです。なんの目的でというでもなく、たんに魔法の手鏡みたいな革新的なデバイスにたいする憧れで買いたくなったようです。

「ねえiPadって、ネットにつながればビデオも観れるし、カメラ機能で撮影もできるんですって。デジタル本も読めるし、好きな音楽もスピーカーから流れてくるの。Face timeでiPhone仲間とテレビ電話みたいにコミュニケーションもできるのよ」

「はいはい、じゃあ買えば? あそうだ、今度のきみの誕生日プレゼントはそれできまりだ」

 ぼくは何の気なしにそういったものでした。

 あれから8年くらいたったでしょうか。妻はいまやiPadなしでは生きていけないヘビーユーザーです。2年前、iPhoneを買うまではどこへゆくにも持ち歩きSNSでのやりとりなどに余念がありませんでした。趣味と実益を兼ねた手作りのアクセサリーもiPadを通していろいろ情報を得ているようです。

「ふーむ。そういうことか」

 頭のぼくは最近までiPadの利用価値をデザインありきで考えていました。

 当時第一線でコンピュータ・グラフィックの仕事に従事していた身としてはデバイスも仕事に直結しなければ魅力は半減していたのです。

 デザインできる環境のデバイスでなきゃ興味なし、だったのですね。

 情報端末としては携帯性を最優先し、スーツのポケットに入る7インチ画面のサムスンタブレットが重宝してましたし、ずっと僕の視野にはiPadなど入ってこなかったのです。

 ところがここ数年で潮の流れは変わってきました。

 アップルペンシルが登場し、iPad proがさながらグラフィックツールのような宣伝のされ方を始めたじゃないですか。おりしもグラフィックアプリの開発が目覚ましい発展を遂げ、かつてAdobe一強だったデジタル・アートの世界に風穴が空いてるのを目の当たりにしました。

 ぼくは仕事としてはグラフィックデザインの世界から退いた身ではありますが、趣味その他日常生活でアートとの縁は切っても切りきれません。

「iPad、本当にグラフィックで使えるの?」

 半信半疑で数ヶ月前、新型のiPadを購入してみたのですが、使いやすいのなんの。便利この上なし。おまけに老眼でちっちゃなサムスンタブレットに苦闘していたのが嘘のよう。いやあ参りましたアップルさん。ナメテましたこめんなさい。妻が入れ込むのも無理はありません。

 長年Macで飯を食わせていただきながら、iPadの進化には無頓着すぎました我が身を恥じております。加えて言えばアップルペンシル最高。いままでグラフィックツールといえば、ぼくはWacom以外眼中になかったのですが、テクノロジーの進化は日進月歩。もう高価なアドベのフォトショップ、イラストレーターの契約もいらない時代に突入じゃないですか。そしえトドメは今月公開されるiPadOS。流れは完全にコンピューターに取って代わるツールへの進化を示しています。もはやこれに乗り遅れることはできません。とことん使い倒してつきあっていこうじゃありませんか。

 というわけで大げさかもしれませんが、iPadは今まさにぼくのライフスタイルを革新的に変えつつある、最強の便利ツールなのであります。