凍り付くハドソン川
ここ数日、こちらアメリカ東部でも新たな寒気が上空を覆うようになりました.。
寒い。ただひたすら、めちゃくちゃ寒いです。マフラーやフードなしで歩いていると、数分で顔がぱきぱきとひきつってきて、痛いです。
これは室内ではなかなか実感しにくい強烈さです。
こちらはテレビの天気予報でもスマホでも、とうぜん華氏何度と表示されるので、初めのうちは日本人としてピンと来ませんでした。
ここ数日は華氏20°台というのも珍しくないのですが、天気予報の数字を見る分には、さほど脅威を感じなかったんです。でもこれ摂氏に換算すると軒並みマイナス5度からマイナス10度前後ということになります。そうだとわかると気分的にもめっちゃ寒くなってきました。ああ、換算しなきゃよかったと。
人間って慣れてくると怖いもので、連日マイナス5度、10度だったりすると、たまに摂氏0°前後になっても、何だ、今日はちょっとマシやん、思うようになってしまいます。
でも実際、外で働く人はきついと思います。
私なんぞは車内での仕事が大半ですから、本当の寒さを実感することは少ないんです。室内から車、車から建物へ。そのわずかな間の寒ささえしのげば良いのですから。
でも外で働く人は別です。 私も若い頃ちょっとだけバイトしたことのある道路工事の作業、あれなんかは大変です。本当の寒さは長時間外にいて初めてわかるもの。体の芯まで冷え切って本当につらかったことを思い出します。
ですから正直、この季節に外で働く人はみんなえらいと思います。本当に尊敬します。
今日は 家の近くにあるハドソン川に寄ってみました。
ご存知でしょうか。何年か前、クリントイーストウッド監督、トムハンクス主演の映画で「ハドソン川の奇跡」ってありましたよね。旅客機がエンジントラブルで川に緊急着陸するという実話を元にした映画です。あのハドソン川です。
あの川の上流に私は住んでいます。暇さえあれば、散歩がてらに川べりまでカメラ片手に歩いて行きます。 絶景ポイントがたくさんあるので、眺めて飽きのこない風光明媚な土地です。
でもこの季節、寒波で川が一気に凍ると、この時期ならではの 光景を見ることができます。
このハドソン川は、一般的な川のように上流から下流へ常に一定方向へ 流れているのではなく、潮の干満によって毎日ゆっくりと流れが逆流する川なのです。 何百キロもある長い大河なのですが、はるか上流からマンハッタンの先の大西洋まで 海抜がほとんど変わらないからとても流れが緩やかなのです。
そんな川が凍ったらどうなるか。それがこれらの写真です。
海水の塩分が含まれているにもかかわらず、川の表面は瞬く間に凍りつき、それが潮の干満によって行きつ戻りつするため、氷が割れ、ぶつかって砕けて、押し合いへし合い。 場合によってはこのように波打ち際に押し寄せて隆起した氷の堆積物と化してしまうのです。
まさに天然のアートと言うか構築物。大自然のなせる業ですね。