アメモノウォッチャー

アメリカ在住者がご当地の気なるモノをピックアップし、ご紹介します。

車にバイクに自転車

 この辺はあちらこちらにたくさんのヒッチハイク用山道が張り巡らされています。いわゆるトレイルパスと言うやつですね。

 昔はそれほど有名ではなかったのですが、最近は口コミだけでなくネットでこの街の情報がどんどん広まり、遠路はるばるこの街周辺にあるトレイルバス目当てにやってくる人たちが多いです。

 地元の我々としては嬉しいはずなのですが、近ごろは混みすぎて、いろんな弊害も出ています。マナーの悪い旅行客が所構わずクルマを駐車し、地元の人の停車スペースも奪われてしまいます。道路をはみ出して歩くハイカーも絶えないし、団体の自転車ツーリングも車道では危険極まりない幅の利かせ方です。加えてヘルスエンジェルスまがいの轟音バイクライダーが市街を走り回るので、子を持つ親などは気が気ではないと思います。

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ご存じアメリカの定番バイク、ハーレー

 あ、一応バイクライダーの名誉のために書き添えておきますが、一般的なアメリカのバイク愛好家はおしなべて紳士的です。見た目は革ジャンに髭ぼうぼうのいかつい荒くれ者風が多い印象ですが、いざバイクを降りてレストランに入ったりするとけっこう物静かにコーヒーを飲んでたりします。そもそもアメリカではバイクというのは、成熟した大人の趣味の一つとしてありますので、日本の若者がスピードやスリルに憧れて爆走するあの感覚はあまりないのです。ただやっぱりでかい大排気量のバイク、町ではやっぱり騒音が問題になることは否めません。

 でも日々仕事でクルマを走らせる私としては、この季節もっと厄介なのはツーリングの自転車です。あれは危険ですね。時として今日は自転車レースの日?と思うくらい長蛇の列をなして公道を走っています。

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アメリカにママチャリは存在しません。

 私が思うにアメリカの道路交通法は自転車に対してちょっと甘すぎるのではないでしょうか。公道を車と同等の扱いで走らせるのはどう考えてもむりです。まず第一に自転車にはバックミラーがついていません。自分も自転車を乗ってたのでわかるのですが、後から高速で接近してくる車の距離感はなかなかつかめないものです。ましてやツーリングで慣れない道を走る自転車にとって、この道でその車はどのくらいの速さで走ってくるのか、見当つきかねるはずです。ふと気がつくと背後から車が接近してあっという間に追い抜いていった、そんな経験が私には何度もあります。それ故逆に車を運転し自転車を追い抜く立場になるととても気が気でなりません。いつ自転車がふらついて車道の真ん中に出てくるのではないかと、ヒヤヒヤしながら追い抜かなければなりません。それは他の運転者にとっても同じことのようで、車は自転車を追い抜くために、多くの車が必要以上に中央分離線を越えて対向車線に入らなければならないのです。タイミングが悪いと対向車からクラクションを鳴らされたりあるいは巨大なトラックが真正面からやってきて自転車との板挟みでヒヤリとする場面も多々ありました。そういうわけで、この季節サイクリング車が我が物顔で車道を走っていると普段の何倍も神経を使って運転しなければならないのです。できれば道交法を変えて、少なくとも路肩の無い道路は自転車走行不可にして欲しいものです。

 クルマ運転する人なら賛同者は少なからずいると思います。