アメモノウォッチャー

アメリカ在住者がご当地の気なるモノをピックアップし、ご紹介します。

己を知る運動

春の兆しに誘われて、ジョギングに出かけました。冬の間に買っておいた新しいニューバランスのスニーカーのストリートデビューです。空はどこまでも青く透き通り、まだ葉のない木々の間を小鳥たちがさえずり、飛び交っていました。

なんて気分の良い朝だ。私は心もうきうき、つい風をきって走りたくなりました。

ああ、それが間違いのモト。

走り始めてわずか3分もしないうちに、股関節に激しい軋みを感じました。

なんだこの痛みは。

思ったのもつかの間、いきなり左足のふくらはぎがビキビキとひきつり、激痛で前に進まなくなりました。向こうから犬を連れて歩いてくる人が私の異変に気づいたのか、犬のリードを手繰り寄せて、警戒する素振りが見えました。

「なんでもありませんよー」

そうアピールしたい私は、極力、平静を装い、激痛に耐えながら、笑みさえ浮かべて、早歩きに切り替えました。

「そろそろスローダウンするところですよー」そう言いたげな余裕の作り笑い。それでも脚は裏返りそうなぐらいぴくつき、けいれんの手前でした。なんとかぎこちない笑みをかわしてすれ違ったものの、もう限界。前のめりによろけて、片足をずるずるひきずりながら木立のあいだに体を横たえました。

なんて無様な自分。

この日はつくづく自分を情けないと思いました。もちろん日頃の運動不足を嘆いてのことです。冬場は寒さを理由に走ることをずっと怠けていました、そのつけをしっかり払わされ、思い知らされたのです。

それにしても冬の間にここまで体がなまっているとは驚きです。

いちおう、朝晩は50回ずつスクワットを続けていたんです。なので足腰に筋肉は維持できたつもりだったのに。

やはりジョギングで使う筋肉とスクワットのそれとは違うということでしょうか。

よくわかりませんが、有酸素運動の代表である「走る」という行為は心臓はじめ、体全体の機能に大きな影響を及ぼすようです。

なまけものの私がスクワットだけはかかさず続けていて安心と思い込んでいた自惚れを叩き直された思いです。

今後はもう少し無理のないウォーキング、ジョギングを進めていこうと思います。ペース配分などにも気をつけ、ゆっくり長続きできる運動をしていこうと思います。

くれぐれもダッシュなどかけないで、おのれの能力を見極めて、運動をつづけます。